Self Port Rait

好きなバンドとか映画のコラム

原作理解度が高すぎるタイアップ曲5選


最近のアニメ主題歌ってレベルが高過ぎませんか?

一般層にアニメが浸透して、アーティスト側もアニメが跳ねれば知名度も上がると気合を入れて作っているのだろうか

直近だとYOASOBIのアイドル、米津玄師のKICK BACK、Official髭男dismのミックスナッツ等が素晴らしい
曲単体でもカッコいいのに原作のキーワードを歌詞に散りばめ、正に主題歌と言える作品に仕上がっている

こういった人気アーティストもタイアップ曲はキチンと原作に寄せて曲を作ってくれているのが嬉しいね


今回はそんな「原作理解度」の高いタイアップ曲を紹介していこうと思う

あくまで僕が見た事のあるアニメに限定されるので悪しからず


1.キタニタツヤ「Rapport」

がらんどうの胸に覚えた違和感さえ
ひとりきりでは御しきれない
この目も鼻も耳も、内側の僕に届かない
茫漠たる灰の海で
痛みさえ忘れていたんだ

そんな僕の目の前に現れたあなたに
見えないものを見たんだ

あなたと僕の間にあった温度を
僕の弱さを少し預けていられた
あなたの言葉が僕の鎖を解いて
空が白んでいくような
この手の中の光が心だと知ったんだ

ウルキオラ過ぎんだろ…!


BLEACH 20周年原画展」のテーマソングとして書き下ろされた一曲
ライブ感溢れるギターフレーズとオサレ感満載な歌詞がBLEACHオタクの僕に刺さりまくり
「御しきれない」や「茫漠たる」などのBLEACHに出てきそうなワードを入れているのも熱い

歌詞では明らかに十刃の「ウルキオラ・シファー」視点で描かれていますね

虚無を司る十刃として登場したウルキオラ
初登場時は心のない石像のような冷徹キャラでしたが、井上織姫と接するうちに人間でいう「心」
を知った描写が歌詞に落とし込まれている

引用はしてないですが、2番の歌詞は一護の内なる虚について書かれていると解釈しています
一曲で2キャラ分描写するとかすごいなキタニタツヤ

他にもキタニタツヤは「タナトフォビア」や「スカー」でBLEACHとタイアップを組んでいるので
この調子で名曲を生み出し続けて欲しい


2.B'z「世界はあなたの色になる」

ああこの世界は
あなたの色になるよ
時に優しく
時に残酷なまでに
吐き出す言葉は風に乗って飛んでいく

名探偵コナン 純黒の悪夢」の主題歌ですね
劇場版で一番好きな作品です

本作のキーマン「キュラソー」はレッドキュラソー、ブルーキュラソーなど着色料などで色付けされているリキュールのを名前に冠したキャラ

黒の組織の諜報員として何色にでも染まってきたキャラクターでしたが、
記憶喪失となった自分と親しくしてくれた少年探偵団を守るために
組織の使命と、自身の命を投げ出しました

そんな劇的なエンディングを迎えた後に流れるこの曲
世界に染まり続けたキュラソー
自分だけの色を掴んで最期に世界を変えることができたのだなと解釈して
劇場でおいおい泣きました

目の前のカップルがエンディング中ずっとディープキスしていた事と共に忘れられない曲です

3.King Gnu「Prayer X」


溢れ出した涙のように
一時の煌めく命ならば
出会いと別れを
繰り返す日々の中で
一体全体何を信じればいい?

BANANA FISH」のED

King Gnuにとって初のアニメタイアップとなった
ボーカルの井口が原作のファンであり、作詞の常田も原作を読み込んでから歌詞を書き上げたという力作

「タイアップで心がけていることは?」「作品の奴隷」と言い切る常田ですが、呪術廻戦や王様ランキングのタイアップ曲の理解度も素晴らしかった

主人公の一人であるアッシュ・リンクス
精神的外傷を伴う壮絶な過去や、もう一人の主人公:英二との出会い、仲間との別れに翻弄される心情を丁寧に描写している歌詞となっています

僕はEDでこの曲が流れるたびに「もう…何を信じたらいいの…?」と絶望していました
アッシュを幸せにしてくれよ…!!

曲を聴くたびにアニメの名シーンが頭をよぎるのですが、メンタルがしんど過ぎてもう一度見る気が起きない作品です




たとえ遥か遠く離ればなれになっても繋がり合う想い
悪戯な運命が降り掛かかろうとも壊れやしない

望まれる明日がその先にあると
頭の奥で誰もが気付いているはずさ
晴れ渡る日々に争いの道具が
消え去る時をいつか君に見せたいな

お次はラルクの名曲「Link」
冒頭に最近のアニメ主題歌と銘打っておきながら2005年の作品を出してすまない…
ハガレンが好き過ぎて紹介したいんだ…

劇場版「鋼の錬金術 シャンバラを征く者」の主題歌として作られた一曲

この時期のハガレンアニメは原作と大きくかけ離れたオリジナル展開で、最終回では主人公のエドワードは真理の扉を越えて異世界(現実世界)へ行ってしまう
劇場版では元の世界(錬金術世界)へ戻る為に独自で研究を進めている、という設定

錬金術世界へ取り残された弟:アルフォンスも兄と再会する為に旅をしているのだが
まさに離れ離れの世界で再会する為に努力し続ける兄弟の関係が表現されている

2番の歌詞では兵器のない世界を望むような歌詞となっているが
これは錬金術師が人間兵器して戦争に利用されていた過去についても触れているのだと思う
原作のラストでは錬金術(兵器)を手放す選択をしたエドの思いにも繋がっているのだろうか

ちなみに劇場版のラストではエドだけでなく
アルも現実世界に来てしまい、ヒロインのウィンリィだけが取り残される結末である

そういった面ではウィンリィ目線の歌詞とも取れなくないが、扱いが酷過ぎて泣けてくるわ



5.THE SPELLBOUND
「すべてがそこにありますように。」


君が一番欲しかったもの
すべてがそこにありますように
道端に投げ出される運命
チェスの駒のように転がった

消えない傷をあげる
口づけの代わりに
癒えない痛みが呼んでる
繋いでいて 繋いでいて

僕の大好きなバンド同士がタッグを組んだTHE SPELLBOUNDの初アニメタイアップ曲
ゴールデンカムイのEDとして起用された

冷たいピアノの音から始まるどこか物悲しいメロディが原作の雰囲気に完全マッチ

金塊を探す事で、アシリパや杉本の「一番欲しかったもの」が見つかることを祈っているような歌詞である

ゴールデンカムイでは「傷」というものが重要なキーワードとして度々扱われる
(主人公の杉本を始めとして、登場人物は顔や体に「傷」を負った兵士が非常に多い事
遺品に「傷」を付けて天へ送るアイヌ文化など)

中盤から主要なキャラクターがバタバタ死んでいくのだが、そう言ったキャラクターへの鎮魂歌として制作したとも語っており、別れた人物との繋がりとして「傷をあげる」という言葉を使っているのだと解釈できそうですね


おわり

作品への愛が爆発して一つ一つの説明が長くなってしまった…
いつもは2000字以下なのに今回3000字越えです

この記事を読んでアニメを見るもよし、改めて歌詞を読み直すのも良し
なにかのきっかけになれば嬉しい

皆さんが思う「原作理解度」の高いタイアップ曲があれば、コメント欄等で教えてください

それでは!